もう穂高は冬

11月2日から3日にかけて奥穂高岳へ行ってきました。



2日は快晴の澄み切った青空の下、気持ちいい登山ができ、

3日も山頂こそガスで真っ白となってしまいましたが、涸沢より下は晴れ



山の神様大爆笑な2日間でした



もう穂高の山小屋も終わりの時期

閉まる前に泊っておきたい!


という気持ちと



雪化粧した美しい穂高が見たい!


という気持ちが高まりに高まり行ってきたんでございます。




行く前に、色んなブログやヤマケイのサイトやら山小屋サイトやらインスタの投稿やら

少しでもリアルタイムの情報を取ろうとめちゃくちゃチェックしました。



ところが



この時期って行く人が少ないのか、あまり情報が出てこない

インスタも山頂からの写真おかはあるけど道中の情報は微妙、、、



みんな夏山シーズンとか紅葉のベストシーズンに行くよね普通

11月に行くとか結構物好きな部類なんかな(笑)



でもやはり冬と秋が交差する微妙な時期だけに少しでも状況が知りたいところ

ということで自分の備忘録的な役割と、その他でも10月末~11月頭に穂高を目指す人に有益な情報になればと思い書いてみます。





11/2 沢渡


今回は沢渡の駐車場までマイカーで行き、アルピコ交通のシャトルバスで上高地まで

バスターミナルはこんな感じ

特に雪はありませんが、

寒いです。とっても。


夜中の2時くらいに到着して車中泊しましたが、沢渡であんなに寒いとは

車中泊して朝一バス乗ろうと考えてる人は、しっかり防寒着を持って行ってください。

(この時期の穂高行くような人で防寒着持ってない馬鹿野郎はいないか(笑))



あ、上高地へのバスは時期によって始発の時間違うのでご注意を

この日は6:10が始発



上高地バスターミナル

バスを降りたら目の前に登山届提出所

登山するなら必ず提出しましょう。

装備や日付、予定しているルートなど記入欄があるのでできるだけ具体的に。



万が一遭難してしまった場合に、救助隊が探すための大切な手がかりです

これがあるのとないのとでは捜索の精度が違います。


ちなみに、この北アルプス界隈の山は登山届の提出が義務化されていたはずです。


この辺までは紅葉も残っており、まだ晩秋の雰囲気

大正池とかは霧氷もついていたりと、冬の気配が確実に近づいている感じ




横尾

ここまではひたすらに樹林帯を歩く

早朝だったのでベンチの上には霜がついています。

黙っていれば寒いが、歩いていればソフトシェルで十分位の気温


目の前には横尾大橋、奥を見やれば西穂高

看板には槍の文字


高まりますなあ


名物の橋


涸沢、穂高へ向かうにはここを渡ります

橋手前の看板にも書いてありますが、



14時を過ぎて涸沢を目指すのはやめましょう

登りが増えてきますし日も陰るのが早く、体感温度も低くなりやすいため危険です。



道も本格的に登山道になるのでろくな装備も持たず上高地の観光の延長で行くような場所ではないということを念頭に置きましょう。



あるくと少し揺れます。苦手な人は苦手かな?




そしてここから徐々に登り要素が増えていく



本谷橋

ここまでは地面がしっかり露出

本谷橋もまだしっかりかかっています。



ここを過ぎると、一気に冬に



つららなんかもあったり


道には雪がついていて

まだ降ったばかりの雪だったので歩きやすかったが、

日の当たる道は凍結している部分もあり滑りやすい


アイゼンなしでも通れるが、不安な人はチェーンスパイク履いておくと安心かな




そして涸沢に迫るともうそこは冬山



涸沢ヒュッテ

この涸沢手前が地味にいやらしくなっている


階段なんかも整備してあるが、雪が積もり踏み固められて傾斜がつくことで

グリップが効きにくい状態


スリプしやすいポイントなのでご注意ください




しかしこの雪の降る時期の涸沢

紅葉とはまた違った魅力でいっぱいです。

前穂、北穂、奥穂、涸沢岳に囲まれたカール


その迫力、高度感、雪をまとった荘厳な姿には息をのみます。



テラスで穂高の峰を眺めながらの昼食

贅沢なひと時



そしてここから急登、ザイテングラートを越えて白出のコルを目指します。



ザイテングラート

ここから一気に雪深くなります


写真ではピッケルが半分ほど埋まってますが、場所によてはピックの部分まで余裕で埋まる深さ


足もひざ上くらいまで埋まる場所も


状態としては、雪は程よく締まっていてアイゼンも効くし登りやすい



こんな感じなのでよく質問にある

「この時期ってアイゼンとピッケルないとだめですか?」

というやつに応えるならば



「絶対にあったほうがいい」



という回答になります。

無くても登れるには登れるでしょうが、安全ではないですし、

アイゼンなしで降りれるのか?と



そこから奥穂や北穂を目指すというならつべこべ言わず持って行きましょう。



出番がなければ「重かったな」で済みますが

必要性が生じた場合に進退窮まります




ザイテン越えてからは一気に斜度上がるのでご注意を

高所苦手な人は多少高度感出てくるので気を付けて



クライミング好きな人は楽しめるかなと

(私は大はしゃぎしながら登りました(笑))



穂高岳山荘

もうね、最高ですわ

こんな景色はなかなか見れるもんじゃない


見上げれば青とオレンジのグラデーション

見下ろせば遥かな地平線に雲海


期待したほど焼けなかったけど、十分すぎるほどに美しい眺め

苦労して登った人だけが見ることのできるご褒美ですね。





しかし、なかなか読めないのが山の天気

翌朝には

ガスに包まれ風も強くなり一気にご機嫌ななめ


気温も-10℃を下回り、岩には雪と氷が張り付いている

梯子まで取り付いてみましたが、天候も上はしばらく荒れそうだし

初めての奥穂高でこのコンディションは無謀と判断して撤退



山荘出てすぐのこの壁が難所なので、ここを越えられれば山頂はすぐですが、

ここでの事故は少なくないですし、視界が聞かない中で奥穂は

間違い尾根などにやられるリスクもある



山頂へはまた挑戦ということで




写真見てもらえれば分かると思いますが、

10月末以降の穂高は冬、雪山と思っていくべきです






今回の山行は、やまの美しさ、荘厳さ、過酷さを教えてくれました。


山頂には立てませんでしたが、景色や山小屋に居合わせた登山者との交流など充実した時間を過ごすことができました。


ベテランの方々の経験してきたこと、教訓など本やネットではなかなか得られないものをたくさん教えていただきました



登るたびに色んな事を教えてくれる山という場所が大好きです。





このブログで書いた上高地~穂高の状況も2018年はこうでした

というものでしかないので、来年以降がどうなるか分かりませんが、

「雪の積もり始めた小屋締め直前の穂高はこんな感じ」という1例くらいにはなったのではないでしょうか。



11月は難しい時期ではありますが、冬の装備は必ず整えて臨んでください。

装備がなくて、登ってから後悔してもどうしようもありません。



救助隊のお世話になれれば御の字、下手したら死にます。

そういうリスクがある。ということをしっかり認識したうえで登山したいものです。


しっかり準備して、安全に楽しみましょう!


ではでは

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筋トレ登山家nozomu blog

登山愛好家/トレーニングバカのブログ。 山と食事とトレーニングをメインに気ままに書いてます。 「体つくりは食事から」をモットーにPFCバランスとかカロリー計算しつつ 自宅や公園でのトレーニングで肉体改造実践中。理想の体型はクリロナ。 初めての登山で登った燕岳、山頂からの絶景に魅せられて 気付けば登山が大好きに。 好きな漫画は「岳」、好きなブランドは「MAMMUT」、好きな山は「剱岳」